【各学科のテーマと概要一覧】
<普通科>
タイトル:「プロジェクトの取り組み報告」
震災の記憶を伝える癒しのコーヒー『Desired Coffee』の開発。“被災した人がほっとできる一杯”、“世界の人と記憶を共有できる一杯”を目指したパッケージで、浜通りで開催されるデフリンピックでの発表を目指す。


<商業科>
タイトル:「双葉郡応援プロジェクト活動報告」
広野町みかんを使った「みかんサイダー」の開発・販売。ふるさと納税返礼品にも採用され、地域連携力・企画力を習得する。


<食品システム科>
タイトル:「陣の都の農水産物を利用したメニュー開発」
地元のリンゴや海産物などを活用し、新たなレシピと実習製品を開発。食の専門知識を活かした地域貢献を目指す。


<海洋工学科>
タイトル:「」水中ドローンとプログラミング技術の学習」
福島イノベーションコースト構想に基づき、慶應義塾大学SFC研究員からフィジカルコンピューティング技術を学習。水中ドローン操縦とPython言語によるAIプログラミングを体験的に学ぶ。


この研究発表会は全国水産・海洋高等学校生徒研究発表東北地区大会の代表選考会も兼ねており、水産各科の代表生徒による課題研究の発表も実施されました。
【水産各科のテーマと概要一覧】
<海洋科>
タイトル:「陸上養殖への道7」
7年目に突入した陸上養殖の研究対象として今年はいわきの気候に適したニホンナマズを選定。共食い対策の給餌や、ニジマス養殖の知見を活かした1トン水槽での循環ろ過システムを構築中。ナマズの育成と、手間を減らす新たな養殖産業化を目指す。


タイトル:「バナメイエビ陸上養殖~バトンを未来につなぐ~」
循環式養殖施設の改善とともに、過去の失敗を分析して水温管理や給餌量の最適化を追求。本校初の学科横断型の探究の在り方として、小名浜海星高校全学科連携のもとで養殖したエビを使った商品開発を目指す。


<情報通信科>
タイトル:「僕らのハザードマップ」
既存マップより分かりやすい「僕らのハザードマップ」を制作。ドローン(Mavic 2)操縦技術と法律を学び、QGISで浸水深を色分けし、航空写真と矢印で避難経路を可視化。動画化や他災害マップ作成に取り組み、地域防災への貢献を目指す。


タイトル:「スマートセンサーブイの開発」
水産業のコスト課題解決のため、安価な新型スマートセンサーブイを開発。ソーラー電池と蓄電池で電池交換不要を実現し、LINE通知機能で水温異常などを自動検知するシステムを構築する。今後はさらに広範囲・低コストでの運用を目指す。


<食品システム科>
タイトル:「魚醤を使ったレシピ開発と、よりよい魚醤にするために」
内池醸造(株)と連携し、魚醤の成分分析・効率化を研究。醤油製造の鍵となる「もろみ」の発酵・熟成期間の短縮を目的として新しい仕込み方法を検討した。また、魚醤を使ったうどん、みたらしだんご、肉じゃが等のレシピを開発し、商品化を目指す。


<海洋工学科>
タイトル:「生分解性ルアーの作成について~海洋ごみをなくすためにできること~」
深刻化する海洋プラスチックごみ問題への具体的な解決策として、海水中でも分解されるPHBH素材に、本校海洋科で出たバナメイエビの抜け殻などを混ぜた環境配慮型ルアーを開発。製造効率化のため3Dプリンタで樹脂型を製作する。大阪万博でも研究を紹介した。


選考の結果、10月末に気仙沼で実施される東北地区大会の学校代表は情報通信科の「スマートセンサーブイの開発」となりました。これまでの研究の成果をぜひ、堂々と発表してきてもらいたいと思います。
今回の研究発表会は、各学科の専門性を活かしながら、地域社会の課題解決やSDGsといった未来を見据えたテーマに挑む生徒たちの、探究心と行動力が集結した場となりました。震災からの復興支援、先端技術を活用した水産業の革新、そして環境問題への具体的なアプローチなど、その成果は多岐にわたります。
今後も、本校での学びを通じて、地域や世界の未来に貢献できる人材の育成に邁進してまいります。